けれど、同じくらい、日本中の様々な農産物にも思い入れがあるのです。
八百屋さんには全国の産地から品物が集まっています。
季節毎に産地がリレーし、色んな土地の特産品が顔を並べています。
それはまるで、店舗の中にいるだけで日本をぐるぐる何周もしてる様。
20代の半ば、それまで勤めていた会社を辞めた際、
ふと思い立って、自転車日本一周をしました。
別に大がかりなきっかけとか心境の変化があったわけではなく、
ちょっと長めの旅行気分で、割と気軽に出発しました。
で、どうなったか。
計画はこうでした。
寄り道せずにひたすら自転車をこぐ。一日平均100キロ目標。
離島を除く日本の四端と、47都道府県の県庁所在地をすべて回る。
宿泊はすべてテント等を使った野宿。
予算20万円。3ヶ月予定。5月に出発して、秋のはじめに京都へ帰る。
現実はこうでした。
寄り道が楽しすぎて全然進まない。一日平均40キロ。
北海道に着いた時点で3ヶ月がたち、資金が尽きて現地でバイト。
以降、資金が尽きる度、旅先でアルバイトをすることに。
沖縄の離島を含めた日本の四端と県庁所在地をすべて回る。
野営禁止の離島と、道中知り合った人の家に泊めてもらった以外は、
すべてテント等を使った野宿。
かかった費用は延べ100万円くらい。
かかった期間は2年半(うち一年はアルバイト)。
5月に出発して、翌々年の秋の終わりに京都へ帰った。
2年半、ずいぶん長い休暇になってしまったけれど、
何よりの財産は多くの人との出会いです。
現地のひとや旅仲間、土地土地で様々な出会いがあって、
それが日々の糧になり、思い出となりました。
予算的な面で、ご馳走は滅多に食べられなかったけど、
野菜や果物などの特産品は、ところどころ楽しめました。
食事はほぼすべて自炊。大荷物積んだ自転車旅行だから、
一日の消費カロリーは3000キロカロリー以上。
米を毎日3合以上食べ続け、肉は高いので野菜中心。
道ばたの無人販売所や、道の駅とかにある直売場で、
とれたての地元の野菜を買っては、
炒めたり煮込んだりの簡単な調理をして食べていました。
聞いたこともない珍しいフルーツを格安で見つけては、
自転車走行の合間の休憩で、舌鼓を打ちました。
次の機会に書きますが、沖縄で自然ガイドの仕事を経験した事で、
後半になるほど、現地の様々な農産物に興味が増えました。
土地ごとの珍しい野菜を探索するのはとても楽しい。
沖縄で。たんかん、野菜パパイア、フルーツパパイア、食用へちま(ナーベラー)、観賞ミニパイン
高級ピーチパインも現地直売だとこの価格!
冒頭で書いたように、八百屋という仕事は、日本中のものを扱います。
八百屋の店頭はある意味日本地図、
日本のリアルタイムなオールスターみたいなものなんです。
自分が日本を見て回ったあの土地で育った青果を扱いたい、
各地で出会った珍しい特産物を扱いたい気持ちとともに、
時を経て一度は忘れかけていたあのときの出会いのつながりを、
あらためて大切にするために。
これから、野菜と果物で、
自分なりの日本地図を描いていきたいと思っています。
旅行当時のブログ
後日まとめた写真ブログ
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