有頂天晴果のこと

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2014年12月20日土曜日

八百屋を始めた理由 その3「日本一周」

都で青果店を始めたので、もちろん京野菜には特別な思いはあります。
けれど、同じくらい、日本中の様々な農産物にも思い入れがあるのです。

八百屋さんには全国の産地から品物が集まっています。
季節毎に産地がリレーし、色んな土地の特産品が顔を並べています。
それはまるで、店舗の中にいるだけで日本をぐるぐる何周もしてる様


20代の半ば、それまで勤めていた会社を辞めた際、
ふと思い立って、自転車日本一周をしました。
別に大がかりなきっかけとか心境の変化があったわけではなく、
ちょっと長めの旅行気分で、割と気軽に出発しました。
で、どうなったか。





画はこうでした。
寄り道せずにひたすら自転車をこぐ。一日平均100キロ目標。
離島を除く日本の四端と、47都道府県の県庁所在地をすべて回る。
宿泊はすべてテント等を使った野宿。
予算20万円。3ヶ月予定。5月に出発して、秋のはじめに京都へ帰る。


実はこうでした。
寄り道が楽しすぎて全然進まない。一日平均40キロ。
北海道に着いた時点で3ヶ月がたち、資金が尽きて現地でバイト。
以降、資金が尽きる度、旅先でアルバイトをすることに。

沖縄の離島を含めた日本の四端と県庁所在地をすべて回る。
野営禁止の離島と、道中知り合った人の家に泊めてもらった以外は、
すべてテント等を使った野宿。
かかった費用は延べ100万円くらい。
かかった期間は2年半(うち一年はアルバイト)。
5月に出発して、翌々年の秋の終わりに京都へ帰った。



年半、ずいぶん長い休暇になってしまったけれど、
何よりの財産は多くの人との出会いです
現地のひとや旅仲間、土地土地で様々な出会いがあって、
それが日々の糧になり、思い出となりました。

予算的な面で、ご馳走は滅多に食べられなかったけど、
野菜や果物などの特産品は、ところどころ楽しめました。

食事はほぼすべて自炊。大荷物積んだ自転車旅行だから、
一日の消費カロリーは3000キロカロリー以上。
米を毎日3合以上食べ続け、肉は高いので野菜中心。

ばたの無人販売所や、道の駅とかにある直売場で、
とれたての地元の野菜を買っては、
炒めたり煮込んだりの簡単な調理をして食べていました。
聞いたこともない珍しいフルーツを格安で見つけては、
自転車走行の合間の休憩で、舌鼓を打ちました。

次の機会に書きますが、沖縄で自然ガイドの仕事を経験した事で、
後半になるほど、現地の様々な農産物に興味が増えました。


土地ごとの珍しい野菜を探索するのはとても楽しい。

沖縄で。たんかん、野菜パパイア、フルーツパパイア、食用へちま(ナーベラー)、観賞ミニパイン

高級ピーチパインも現地直売だとこの価格!



頭で書いたように、八百屋という仕事は、日本中のものを扱います。
八百屋の店頭はある意味日本地図、
日本のリアルタイムなオールスターみたいなものなんです。

自分が日本を見て回ったあの土地で育った青果を扱いたい、
各地で出会った珍しい特産物を扱いたい気持ちとともに、
時を経て一度は忘れかけていたあのときの出会いのつながりを、
あらためて大切にするために。

これから、野菜と果物で、
自分なりの日本地図を描いていきたいと思っています。










旅行当時のブログ
後日まとめた写真ブログ

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