有頂天晴果のこと

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2015年1月23日金曜日

八百屋を始めた理由 その8「青果専門店」


ルー旅行から帰ってきて、京都の青果専門店…
大きな八百屋さんで働き始めました。

契約農家から直接仕入れる京野菜と、京都市中央市場を初めとする、
近隣の卸売市場から仕入れる野菜・フルーツを取りそろえた、
大型商業施設の中にある、品揃えの豊富な店舗でした。

パッケージングや季節行事に合わせた仕入れや陳列など、
専門店ならではの様々なノウハウや、
素人同然だった果物についてなど、ここで多くのことを学びました。

2015年1月9日金曜日

八百屋を始めた理由 その7「南米旅行」


売所の仕事が終わってしまい、さてこれからどうしようか考えました。
今後は、腰を据えて野菜販売に関わる道に進みたいと思います。
ですが、いまひとつ具体的なビジョンが見えてこない。

直売所だけでなく、一般的な八百屋の業務も経験しておきたい。
また、当時すでに話題になっていた野菜ソムリエの様な、
「販売」より「紹介」に比重を置いた活動にも興味がある……
どんな野菜屋になりたいのか。

あれこれ考えを巡らしていた中で、ある日突然、

そうだ、南米行こう

と思い立ちました。
目的地は、ペルーです。

世界遺産である憧れの空中都市マチュピチュ!
幼い頃から浪漫を感じたナスカの地上絵!

……も勿論ありますが、それだけではありません。
自分をそのとき強く後押ししたのは、そこが、
トマトやじゃがいもを始めとする、たくさんの野菜にとってのふるさとだということ。


えば、マチュピチュの特徴的なあの階段状の遺構。
あれは、とうもろこしじゃがいもなどを作るための段々畑なんです。
切り立った峰で、効率よくいくつもの野菜を栽培するため、
日当たりを考慮して作られた、インカ時代の農業技術の賜物。

今風に言うと、シティファームですね。
東京都心のビルの屋上に畑が出来たりする時代ですが、
マチュピチュでは都市の側面(斜面)に畑を作っていたわけです。

アンデスには、インカ道と呼ばれる街道(とは言っても人一人通れる程度の道)が、
縦横無尽に走っていて、海の幸も新鮮なまま、山上まで届けられたといいます。
ですから、マチュピチュは完全な自給自足の街では無かったでしょうが、
それでも主食の多くを、この都市農場でまかなっていたのでしょう。


マチュピチュの大規模な山間農業地。当時はこの斜面は畑でした。

日当たり良好な段々畑。


下を見ると数百メートル下の谷底がよく見える。高所恐怖症の人にはつらい立地。


雨の降らない山頂なのに何故か水が湧く。



有名なこのアングル。奥の山(ワイナピチュ)に注目


山頂あたりをよーく見ると…


ここにもびっしりと段々畑っ!


2015年1月3日土曜日

八百屋を始めた理由 その6「京野菜直売所(後編)」

節が変わり、期間限定店舗だった屋外直売所の閉店とともに、
観光地で有名な、嵯峨野・嵐山にほど近い、
右京区太秦の直売所へ移動となり、
そこで引き続き、店長をやらせていただくことになりました。

前店舗と違って、屋内…というか、駅の敷地内という好立地で、
風雨の心配が無い上、役所も近いため、人通りも申し分ない場所でした。

ここでは、農家さんと毎朝直接顔を合わし、
また、毎日の売り上げ、売れ行きなどをメールでやりとりする中で、
皆さんの野菜作りに関するお話を聞ける機会が増えました。



の直売所で扱う野菜は、京都市が認めた旬野菜基準に則った野菜」です。
旬の時期に旬のものを推奨するという当たり前のようでいて、
現代では失われつつあるテーマが、この事業には掲げられていました。。

夏は、冬野菜である大根やほうれん草ではなく、
夏野菜のきゅうりやなすを中心に食べよう。
冬はその逆に。いつも、季節にあった食材を選ぼう。
味も、栄養価も、旬の物は格段に優れているのだから。

分かりやすく言うと、上記のような理念です。
もちろん、旬以外の物は絶対に食べてはいけないというわけではありませんが、
旬の物を選んで食べるという行為には、合理的な裏付けがあるのです。



えばこんな話はご存じでしょうか。
今のほうれん草の栄養価は、
数十年前の半分以下になってしまった。
その真相は……

2015年1月2日金曜日

八百屋を始めた理由 その5「京野菜直売所(前編)」

本一周から帰って地元で就職し、安定した生活を手に入れましたが、
リーマンショックの影響で、職場で大規模な人員の削減があり、
わずか三年ほどで、退職することになってしまいました。

転機はその後、訪れます。
ハローワークにて、京都市が立ち上げた、
「京の旬野菜」の直売プロジェクトの販売スタッフを募集していたのです。

市に「京の旬野菜農家」として認定された契約農家が、
様々な得意野菜や新品種を持ち寄って出荷する、街ナカ、駅ナカの直売所。
そこで販売を担当する仕事でした。

この時点では、野菜販売に関する知識や経験があったわけではなく、
面接のときには、高原レタスの栽培経験や、日本一周中に各地の野菜を食べ、
地域ごとの食材の違いに興味を持った経験などを話しました。
結果、めでたく採用となり、私にとってのはじめての野菜販売がスタートしたのです。



日に、劇的な巡り会いがありました。
それは、「山科なす」との出会いです。
研修として配属された山科にある直売所で、売れ残っていた山科なすを買い、
洗って、切って、フライパンで焼いて、塩胡椒を振るだけの調理をしたところ、
これがびっくりするくらい美味しかったんです。


卵の様な形の山科なす