直売所の仕事が終わってしまい、さてこれからどうしようか考えました。
今後は、腰を据えて野菜販売に関わる道に進みたいと思います。
ですが、いまひとつ具体的なビジョンが見えてこない。
直売所だけでなく、一般的な八百屋の業務も経験しておきたい。
また、当時すでに話題になっていた野菜ソムリエの様な、
「販売」より「紹介」に比重を置いた活動にも興味がある……
どんな野菜屋になりたいのか。
あれこれ考えを巡らしていた中で、ある日突然、
そうだ、南米行こう
と思い立ちました。
目的地は、ペルーです。
世界遺産である憧れの空中都市マチュピチュ!
幼い頃から浪漫を感じたナスカの地上絵!
……も勿論ありますが、それだけではありません。
自分をそのとき強く後押ししたのは、そこが、
トマトやじゃがいもを始めとする、たくさんの野菜にとってのふるさとだということ。
例えば、マチュピチュの特徴的なあの階段状の遺構。
あれは、
とうもろこしやじゃがいもなどを作るための段々畑なんです。
切り立った峰で、効率よくいくつもの野菜を栽培するため、
日当たりを考慮して作られた、インカ時代の農業技術の賜物。
今風に言うと、シティファームですね。
東京都心のビルの屋上に畑が出来たりする時代ですが、
マチュピチュでは都市の側面(斜面)に畑を作っていたわけです。
アンデスには、インカ道と呼ばれる街道(とは言っても人一人通れる程度の道)が、
縦横無尽に走っていて、海の幸も新鮮なまま、山上まで届けられたといいます。
ですから、マチュピチュは完全な自給自足の街では無かったでしょうが、
それでも主食の多くを、この都市農場でまかなっていたのでしょう。
マチュピチュの大規模な山間農業地。当時はこの斜面は畑でした。
日当たり良好な段々畑。
下を見ると数百メートル下の谷底がよく見える。高所恐怖症の人にはつらい立地。
雨の降らない山頂なのに何故か水が湧く。
有名なこのアングル。奥の山(ワイナピチュ)に注目
山頂あたりをよーく見ると…
ここにもびっしりと段々畑っ!